自分のやりたいことなんてやれる時代じゃなかった

今考えると、私が10代の頃は、自分のやりたいことなんてやれる時代じゃなかった。

昭和22年、戦後2年目の生まれですから、世の中のみんなが貧乏で3食満足に食べられる時代ではありませんでした。とくに、女の人は虐げられていました。

「女は勉強や仕事はしないで、家事や育児をしてダンナさんに尽くす」という概念が色濃く残っていたので、中学卒業後、私が高校に行きたいと言ったときも、「女に学問は必要ない」と母からピシャリと言われて…。

中学の先生が「高校には奨学金もあるので、せめて入学試験だけでも受けさせてあげてください」と言って下さったのに、母は「受かったら困るからやめときます」って。

兄や弟たちは全員高校に行ったのに、今、考えたらひどい話です。

とはいえ、そこでメソメソしていても始まりません。じゃあ自分で働いて学費を出すしかないと、中学を出た後は企業の事務員として働きながら通信制高校に通うための学費を貯めました。