「ツボ」が持つ2つの特徴

そして、ツボ、つまり経穴には2つの特徴があると考えられています。

『東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム』(著:山本高穂、大野智/講談社ブルーバックス)

ひとつは、心身に不調があるときに痛みなどが生じる反応点の役割です。医師や鍼灸師が患者のツボを触ったり押したりすることで、どんな症状がどの程度あるのかを確かめるなど、診察に欠かせないポイントとされています。

そして、2つめの特徴は、皆さんもご存知のとおり、治療点としての役割です。ツボに鍼を刺したり、お灸をすえたりすることで、痛みをはじめ心身のさまざまな症状を改善することができます。

さらに、ツボは人間だけでなく、動物でも確認されています。

鍼灸は中国の伝統医学に起源を持つとされていますが、人間への治療だけでなく家畜のケガや病気の治療にも用いられ、ツボの位置や効果などが詳しく調べられ体系化されています。そして現在でも、犬や猫などのペットの病気の治療やケアに、鍼灸やツボ押しなどを取り入れている獣医師も少なくありません。鍼灸のメカニズムに関する研究も、主にマウスやラットなどの動物のツボを使って実験を行っているのです。