最初のが一番いいときもある

金澤 白石監督が私に字を書いてくださいって言ってくれたんです。

草なぎ ああ、そうなんだ。
きっと翔子ちゃんの文字の世界観が、監督にぴったりきたんだろうね。
本当にぴったりだったよね。
タイトルの文字以外にも、劇中文字の「江戸吉原」の文字や映画の中に出てくる文字なんかも、書いてくれたんだよね。
※題字と劇中文字(場面転換の3つの文字)を制作

あれは、何度も練習して書いたの?

オープニングタイトルの「碁盤斬り」

金澤 あまり練習しない。
最初のが一番いいときもあるから。
5枚ぐらいかな。

草なぎ それはすごい!
今回の映画は、江戸時代のお話で、柳田格之進は囲碁の名手なんだけど、その碁石も江戸時代に実際使われていたもので、今の石と違って平べったいんだよ。そんなところにも監督は徹底してこだわってた。
で、僕はその石をかっこよく碁盤に置けるように、何度も何度も練習したんだよ。指先にまで神経を使って、あるときは淡々と、あるときは激しく…。碁石の置き方ひとつで、その場の気持ちを表すからとても気を遣った。
公開されたら、そんなところも見てもらえるとうれしいなあ。

 

金澤 私も京都、一緒に行きたかった。

草なぎ そうだね、一緒に行ければよかったね。
翔子ちゃんも、京都には年に何度もでかけてるんだもんね。

金澤 そう。お寺で書くの。