本心をショーのエンディングで
歌手にはさ、歌手だからこその責任があると思うんだよ。自分ではまだまだやれると思っても、実際はやれていないかもしれない。評価するのはお客さんだからさ。それを考えて、歌に関してはそろそろ最後にしようかなと考えたんだな。それで、ラストのステージを自分で決めたんだ。
ラストショーは、自分の代表曲を歌えるだけ歌うと決めた。お客さんが聴きたいと思ってくれる曲は全部やりたかった。だから「君といつまでも」も「お嫁においで」「夜空の星」も「海その愛」も、みんな歌ったよ。
ショーのエンディングは、緞帳に大きな文字で俺の本心を映し出した。
幸せだなあ
加山雄三
あの言葉のもとになった「君といつまでも」のレコーディングのことは話したよな。
オケがものすごくいい音で、俺はうれしくて「幸せだなあー」って言った。ラストショーのファイナルの「幸せだなあ」も、もちろん本心。だから俺の気持ち、伝わっただろ?