「その中でいったい何ができるのか、これまでの経験を活かして考えていきたい。だって、僕は誰よりもテレビが好きだから」

大人のためのバラエティ番組を

仕事の面で、今、僕がやりたいのは「音楽バラエティ」です。60年代、70年代に人気を博した『夢であいましょう』や『シャボン玉ホリデー』のような。あるいは、子どもの頃から毎週楽しみに見ていた『今夜は最高!』のような大人の鑑賞に堪えうる娯楽番組を作りたい。プロが司会をして、プロが音楽を聴かせて、プロがコントを披露する。YouTubeやインスタなどで、誰でも簡単に番組が作れる時代だからこそ、テレビでは一流のエンターテイメントをお見せしなきゃいけないんじゃないかと思います。

最近はテレビ離れが著しいと言われていますが、「テレビがつまらなくなった」と、テレビに出ている僕らが思っていちゃいけない。コンプライアンスの問題もあり、確かに以前のようになんでも自由にできる時代ではなくなりました。

でも、じゃあ、その中でいったい何ができるのか、これまでの経験を活かして考えていきたい。だって、僕は誰よりもテレビが好きだから。これからもテレビを通じて、キラキラと明るく楽しい空気を、みなさんに伝えていきたいと思っています。

 


いばらない生き方 テレビタレントの仕事術』(著:中山秀征/新潮社)

今再評価されるのは、共演者の魅力を自然に引き出す巧みなMC術と、「全員を活かす」明るいリーダーシップ。実は深くて実に楽しいその戦略を本邦初公開! 「DAISUKI!」「THE夜もヒッパレ」「TVおじゃマンボウ」のヒット秘話や、志村けん・萩本欽一・上岡龍太郎などレジェンドとの交流も語りつくす、中山秀征的、超ポジティブな「人生論」。