名店の伝統と味をカウンター席で気軽に

「夜はすき焼きがメインのコースですが、ランチには牛鍋をご用意しています」。

笑顔でこう語るのは、女将の篠崎由美さん。今はなきすき焼きの名店、赤坂「よしはし」で長らく仲居を務めていたベテランだ。

その「よしはし」の片鱗を感じさせるのが卵。通常は溶きほぐす程度だが、ここでは白身のみをメレンゲ状態になるまで攪拌。あわあわとしたメレンゲが、甘辛味を優しく含んだ牛肉にふうわりと絡み、これまでとはひと味違う食味を口中で演出する。

肉はもちろん黒毛和牛。あえて赤身の強いイチボ(腿の一部)を選び、肉本来の味わいを楽しませてくれる。

牛鍋セットにつく先付けとデザート。手前が 「北海ダコの土佐酢ジュレがけ」、奥は「季節 のシャーベットのシャンパンゼリーがけ」で、こ の日は夏みかんのシャーベット。先付けも季 節で替わる。牛鍋のほか、予約をすれば夜と 同じコースも注文可能。お土産のすき焼き弁 当5000円もある