モノクロの世界がカラフルに!

そんな私が『着る学校』に入学して以来、じょじょに変わっていきました。「カラフルな色の服が着られないんです」と訴えたところ、「じゃあ、最初は靴下から色を取り入れてみたら?」と、西先生がアドバイスしてくださって。そこで、恐る恐る買ったのが紫色の靴下でした。紫と言っても、遠目から見たら黒にしか見えないくらいのダークパープルだったのですが、それでも初めてその靴下を履いたときは緊張してドキドキしちゃって(笑)。その勢いで、2足目は黄色の靴下を買いました。たかが靴下ですが、黄色を身に着けるだけでも、私にとっては大チャレンジです。その当時、黄色の靴下を履いて撮った写真を見ると、今にも泣きそうな顔をしています。

西先生のアドバイス前と後のさっちゃん

それでも、西先生や同じ講座を受講しているメンバーのみんなから「いいじゃない」「すごく似合う」と褒めていただいて。その言葉に勇気をもらって、トップスもボトムスも、それまでのワードローブにはまったく存在しなかった明るい色の服を着られるようになりました。極めつけは、生まれて初めて水色のロングコートを買ったこと。他の受講生のみんながカラフルな色の服を着ているのに憧れて、「今年の冬は、私も絶対にカラフルなコートを着るんだ!」と、清水の舞台から飛び降りるような気持で。

生まれて初めての水色のロングコート

もちろん、最初は上手く着こなせませんでした。足首くらいまで丈があるロングコートなので、羽織ると全身が水色一色になっちゃって、「やっぱり、私がこの色を着るのは無理かも」と、一時は弱気になりました。でも、「じゃあ、袖をまくってみたら?」という西先生のアドバイスに従って両方の袖をまくってみると、中に着ているトップスの色がアクセントになり、水色の分量が減ってスッキリ見える。おかげで、その水色のコートを着るのにも慣れたある日、街中を歩いていたときに、「私、水色のコートを着ていてよかった!」と心の底から思えたんですね。曇り空の寒い日で、周りの人はみんな暗い顔をして、暗い色のコートを着て歩いている。その中で、自分だけが明るい色のコートを着ていたことで、少しだけ街の風景を明るくすることができたかもしれないなって。そんなふうに思えるようになったのも、それまでモノクロだった私の世界が明るい色で満たされていったからだと思います。

華やかな色を着こなすさっちゃん