●耐震補強の種類とポイント図を拡大

木造住宅の耐震工事では、主に、壁・基礎・屋根・柱を補強します(上図参照)。なかでも重要なポイントが壁です。

木造住宅は、長い材木を組み合わせて骨組みをつくります。強い水平力が加わっても崩れないようにするには、材木の接合部を金物でしっかり繋げることと、壁を強化することが大切。

水平力に対抗して建物を支える壁を「耐力壁」と言い、耐震工事では柱と柱の間に筋交いを入れたり構造用合板で補強したりして、耐力壁を増やします。

少し専門的な話になりますが、耐震に重要なのは建物のバランスです。たとえば、東西の壁量に比べ、大きな窓のある南北には壁量が少ない、という家はバランスが悪く崩壊しやすい。改修では、弱い部分を補うように耐力壁の配置を検討します。

ここで皆さんが特に気になるのは、工事費用でしょう。日本建築防災協会の調査によると、木造住宅の場合は半数以上が200万円未満で行われています。

部位ごとの目安は、壁1枚(幅910mm)あたり外壁が13万~15万円、内壁が9万~12万円。屋根(1平米)が1.5万~2万円、基礎(1m)が4万~5.5万円です。

家の規模や評点によって費用は大きく変わりますが、壁の修復であれば150万~200万円ほどが目安。基礎を補強したり屋根を軽い素材に葺き替えたりすると、プラス200万円以上かかります。