睡眠歯科で扱われるものとは

睡眠歯科で扱うのは、主に睡眠時無呼吸症候群やいびき、ブラキシズム。いびきは寝始めにかく程度なら心配ありませんが、大きないびきは呼吸が浅くなる低呼吸の可能性があります。

さらに大きないびきの間に呼吸が止まる無呼吸の状態が何度もあるのが、睡眠時無呼吸症候群です。

これにより低呼吸と無呼吸によって脳が覚醒状態になり、十分な睡眠を取ることができないため、日中に強い眠気を感じてしまい、生活に支障が出る恐れがあります。

睡眠時無呼吸症候群には、気道が塞がって起こる閉塞性、脳の呼吸中枢に原因がある中枢性があり、睡眠歯科の対象となるのは、患者の大半を占める閉塞性睡眠時無呼吸症候群です。

ブラキシズムは口腔内悪習癖ともよばれ、上下の歯をギシギシとこすり合わせるグラインディング(いわゆる歯ぎしり)や、無意識に歯を強く食いしばったり噛み締めたりするクレンチング、歯をカチカチと合わせるタッピングに分けられます。

これは日中目覚めている時でも起こりますが、睡眠歯科の対象は寝ている間に起こる睡眠時ブラキシズムです。

ブラキシズムの多くは浅い睡眠のときに起こることが分かっています。睡眠時は目覚めている時の何倍もの咬合力が出るため、歯への負担は相当なものになります。

また、睡眠時無呼吸症候群とブラキシズムには相関関係があることが分かっています。睡眠時無呼吸症候群の改善によってブラキシズムを減らすことができ、ブラキシズムの減少によって、睡眠時無呼吸症候群の発生を抑制できます。