最も如実に歳を思い知らされるのは、昔の写真を見た瞬間かもしれない。
気楽に撮影してきた写真がスマホに保存されている。この二十年あまりでその数は数千枚ほどにたまった。
「昔、千葉で一緒にゴルフしたのって、何年前だっけ?たしか写真撮ったよね」
そう言いながらスマホをクリクリ検索していくと、ああ、出てきた出てきた。
「わっかーい、あたし」
「やだ、髪の毛もふさふさー」
友と顔を寄せ合いスマホを覗き、懐かしみつつ、がっかりする。
ちなみに人は自分の顔しか見ないものだ。隣の人が目をつむっていようが、よそを向いていようが、自分の顔の写りさえよければ、「うん、よく撮れてる」と満足し、どれほど他人に「いい写真ねえ」と言われても、自分の顔が気に入らないと、決して満足できないのである。
そう、最近、過去の写真を見るたびに落胆する。ほんの数年前だというのに、私って、まだこんなにピチピチしていたのね。
首のあたりが今ほどクシャクシャじゃない。手の甲がシワシワになっていない。そんな現実を突きつけられるとたちまち老化を実感するのである。
そして数年後、たっぷり落胆した頃に撮った写真を見返して、「あの頃は今よりだいぶマシだった」と、さらに落胆の度合いは増すことになる。