「自宅図書室での高倉健」 (提供:高倉プロモーション)

その頃「戦後の日本は、金をかけたものが心のこもっているものだとみんながどこかで思いはじめた時から、何かが曲がってきはじめたと思うんですよね」と語っていた高倉さん。

〈大切な何か〉を追い求めるようになった高倉さんは、晩年映画製作にも深く関わっていくように。『ホタル』(2001 年、配給:東映)では、製作者を対象に贈られる藤本賞の特別賞を受賞している。

2011年の東日本大震災で「これは、僕にとっての第二の敗戦だ…」と語り、途方もない無力感にさいなまれていたという。遺作となった『あなたへ』(2012年、配給:東宝)に出演するきっかけとなった、ある1枚の写真とは――。

本展のタイトルになっている「高倉健に、なる。」は、九州に生まれ、上京して偶然、俳優という道に入った小田剛一という人間が、映画界を背負う「高倉健」として生きて行く決断をするまでの葛藤と覚悟がこめられているという。

常に高倉健として生き、高倉健として人々に見送られた姿を、写真や本人の言葉、愛用の品々から振り返る。

 

没後10年展「高倉健に、なる。」

会期: 2024年10月3日(木)~11月28日(木)/日曜祝日休館
会場: よみうりギャラリー(東京・大手町 読売新聞ビル3F)※入場無料
開場時間: 10:00~19:00 *土曜~17:00
ただし17 時以降および土曜日は一部コンテンツをご覧いただけません。

主催: 読売新聞社
企画協力: 高倉プロモーション
協力: 日本映画放送
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