不要な支出を見極め、趣味のお金を確保

15年前に離婚し、現在は8年前に購入したマンションに一人で暮らすB子さん。公的年金9万円とパート代5万円、合わせて月14万円で生活している。収支はやや赤字だが、「上手にやりくりしていますね」と、深田さんは太鼓判を押した。

「良い点を挙げると、一つは交際費。義理のつき合いをやめて、冠婚葬祭費にお金を使わないようにしているようです。一方、月1回は友人と会食し、予算の都合で誘いを断ってもこまめにLINEで連絡を取り、大切な人とのつき合いを維持。こうしたメリハリのあるお金の使い方は、限られた生活費で人生を楽しむコツでもあります」

B子さんは、昨今の物価高騰にも柔軟に対処。これまで3品だったおかずを2品に減らし、1品に入れる野菜の種類を増やす。服は極力買わず、娘のお古の中から似合うものをもらう。民間の生命保険は解約――など。自分にとって不要なものをそぎ落として出費を抑えている。

「ただ節約するのではなく、趣味であるフォークダンスサークルの会費2万円は、譲れない支出として確保。B子さんの一番の楽しみであり、健康のもとでもあるのですね。生きがいにもつながる出費は、度を越さなければ我慢する必要はありません。

また、無農薬の食材を定期購入するなど、健康への意識の高さがうかがえます。医療費がゼロというのも、家計には大きなメリットです」