就職という概念はない

フィンランドには、日本のような「就職」という概念がない。日本の就職は新規学卒一括採用が普通だが、実はそれは世界でも珍しい制度である。

日本で大学の卒業は年に1度の3月であり、その後、間を置かず一括採用になる。

また、「青田刈り」と呼ばれる慣習があり、大学3年生で就職活動を始め、勉学より優先せざるを得なくなることも多い。

フィンランドの大学は、必要な単位を取り論文が受理されれば修了となる。

卒業式に出たい人のために卒業式は行われているが、必ずしも全員が出るわけではない。その頻度は年に1度、2度、或いは毎月など大学によって異なっている。

大学は就職の紹介や斡旋をしないので、学生はオンラインなどで個人的に仕事を探すことになる。

最初から正規のポジションに就くことは少なく、いくつかの仕事を経験してから、正社員のポジションを見つけていくことが多い。

 

※本稿は、『フィンランドの高校生が学んでいる人生を変える教養』(青春出版社)の一部を再編集したものです。


フィンランドの高校生が学んでいる人生を変える教養』(著:岩竹美加子/青春出版社)

世界幸福度ランキングで、7年連続1位に輝いたフィンランド。

フィンランドの学校には「良く生きるための授業」がある。

「良い人生って何?」「生きる意味はどこにある?」などの問いに向き合いながら、自分だけの答えを探すフィンランド独自の授業、そしてその教科書から、幸せに生きるヒントを探る。