2019年4月23日号

 

[特集]
わが子が「働けない」、親にできることは?

今、自活できない若者が増えています。中高年世代も含めると、その実態はつかみきれないと言われます。働きたくても働けない、一度辞めると次に進めないなど、その事情もさまざま。ニートやひきこもりの人、就職活動で挫折したり、未来に希望を持てずに心が折れてしまった人たちが新しい世界に踏み出すために、周囲はどう向き合えばよいのでしょう。また、親やきょうだいが持っていたい心構えは。支え方と心の問題を考えます

●注目記事●

 

ゆるく働いても収入が少なくても、
幸せそうならそれでいい
 
工藤啓×雨宮処凛×斎藤環

親として、「働けない」子どもをどのように見守ったらよいか。「ひきこもり」を社会に広く認知させた精神科医の斎藤環たまきさん、若者の貧困について長年フィールドワークを続けるエッセイストの雨宮処か 凛りんさん、NPOで就労支援に携る工藤啓さんが語り合う

斎藤 私は精神科医として、ひきこもりの人たちに長くかかわってきました。ひきこもりという言葉が一般的になった1995年当時は、「贅沢病」などと批判する人もいましたが、最近は支援が必要だという認識が多少は広がってきたようです。

工藤 僕は2004年から、今は働けないけれど経済的に自立したいという希望を持っている人への就労支援をしています。働けない理由はいろいろですが、ひきこもりや対人不安、発達障害の人が多いですね。始めた頃は30歳前後で来る人が多かったのですが、最近は20歳前後の人が増えている。ご家族を含めて、NPOなど他者に相談することへのハードルが下がってきたのでしょう。

雨宮 私は、非正規雇用で貧困の状態にある人たちをずっと取材してきました。超就職氷河期を経て、就職できないままきてしまった“ロスジェネ”と呼ばれる世代も、今や30代半ばから40 代半ばの中年になった。ロスジェネの人口は約2000万人で、そのうち未婚で実家暮らしの人が約300万人います。17 年の非正規労働者の平均年収は175万円、女性に限っていえば150万円です。これでは生活保護と、年収で20万円しか差がない。このように収入が少ないために親元を出られない人もいれば、ブラック企業に勤めてうつ病になって働けなくなる人、働いたり働かなかったりを繰り返す人もいます。(一部抜粋)

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他にも、引きこもりの経験のある山田ルイ53世さんのインタビュー、荒れた時期を経たうえでのMr.マリック父娘の対談、社会とつながる場所の情報、収入がない子が生き抜くためのマネー術などが掲載されています!

目次

 

[第二特集] 
認知症と家族
最新ケアガイド2019

認知症の患者数は増えつづけ、2025年には700万人にのぼると言われます。年齢とともに誰でもなる可能性のある、身近な病気です。本人はもちろん、そばで支える家族にとっても、認知症とともに生きることが日常の一部になっていくでしょう。知っておくと心強い、ケアや備えのヒントを集めました
 

●注目記事●

「選び方チャート」と「比較リスト」で大検証
あなたにぴったりの
認知症保険、教えます

鬼塚眞子

万が一に備えようとは思うけれど、たくさん種類がありすぎて、選ぶのが後回しになりがちな保険。今、空前の大ブームとなっている、「認知症」を前面に打ち出した保険一覧を紹介し、専門家と一緒に賢い選び方を考えます

「認知症になって子どもに迷惑をかけたくない」とは、多くのシニア世代の“親心”なのでしょう。今、認知症保険の売れ行きが好調です。

しかし、「認知症保険は認知症の保障が手厚いが、介護の保障はいまひとつ」と、誤解していませんか? たしかに認知症保険は認知症に保障を絞った保険です。足腰がおぼつかなくなって介護認定を受けていても、判断能力に問題がなければ、残念ながら保険金は支払われません。

逆に、民間の介護保険では、認知症の保障は含まれないと考える方がいますが、実は認知症も対象となります。保険を選ぶ際には、介護全般の保障か、認知症のみの保障かという加入目的を明確にしないと、いざというときにお金が出なかったということになりかねません。

ほかにも注意していただきたいのは、「認知症保険に加入していれば、経済的な心配がなくなる」という誤解です。保険はあくまでサポートであって、支出のすべてをカバーするものではないことを理解しないと、介護でお金が必要な事態になってはじめて支払額が足りないということになるかもしれません。(一部抜粋)

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他には、松島トモ子さんの語る母の介護、脳が活性化する「昭和の思い出クイズ」も!

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[読みもの]

●注目記事●

 

追悼 内田裕也さん
樹木希林さんが惚れた「純」な魂
陣内孝則​

妻・樹木希林さんの死から約半年──。3月17日、歌手の内田裕也さんが亡くなりました。享年79。2018年の大晦日には自身が主催するロックフェスティバルにも出演し、最後まで「ロックンロール」を貫いた内田さん。その生き様を、ザ・ロッカーズのボーカルとして1980年代から音楽活動を続けてきた俳優の陣内孝則さんが語ります

裕也さんが亡くなったらしいということは、息子からのメールで知りました。僕の息子はテレビ局に勤めているので、裕也さんに近い僕から裏を取ろうと思ったんでしょう。

びっくりして裕也さんのバックバンドのギタリストに確認をとったら、亡くなったのは本当だ、と。すごく悲しかったし、心に穴が開いたような気分でした。僕が21歳で福岡から上京し、バンド活動を通して出会って以来、ずっと可愛がってもらっていましたので。

一方で、「あぁ、やっぱり」という思いもありました。2018年大晦日の「ニューイヤーズワールドロックフェスティバル」でお会いした時、裕也さんは本当に弱っていましたから。楽屋で喋ろうとしても、声すら出せない。その出ない声で必死に、「陣内、おまえ一番古くなってきたな」と絞り出すんです。僕は「いやいや、まだPANTAさん(頭脳警察)も鮎川誠さん(シーナ&ザ・ロケッツ)もいますから」と答えました。

裕也さんが始めたニューイヤーズワールドロックフェスティバルは、去年で46回目。ずっと出ていたジョー山中さん、安岡力也さん、桑名正博さんなど、親しい仲間が次々と亡くなったことで、精神的に弱くなっているんじゃないかと感じました。そのうえ、昨年9月には樹木希林さんが亡くなった。

こんな状態で歌えるのかと思いましたが、ステージに出てお客さんの拍手と歓声を浴びたとたん、スイッチが入った。(一部抜粋)

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他にも、

「テレビに映りたかった」少年が俳優になって
超マイペース人間の僕は、”ジャニーズの異端児”です
風間俊介

気分はタカラジェンヌ四姉妹!?
女の生き方は四人四様。いつだって始められる
浅野ゆう子×一路真輝× 瀬奈じゅん×水 夏希

「人生は修行」と思っていたけれど
楽しみながら仕事はできると
50歳手前で気がついた

カンニング竹山

ベストセラー小説が引き起こした新たな波
日本で韓国で、格差に声を 上げ始めた女性たちのこれから
酒井順子×ジェーン・スー×すんみ

などなど、盛りだくさん。ぜひご一読ください!!

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