筋肉が衰え、皮膚がたるむのは瞼も例外ではありません。視野の狭さや見た目の悩みが、日常生活に支障をきたすことも。いざ手術を受けようと決意しても、病院や術式はさまざまで――(イラスト◎きじまももこ)
いよいよ迎えた手術の日
恐る恐る「私の場合、保険適用になりますでしょうか?」と切り出すと、「なりますよ」という回答だった。そこで、どういう症状になると保険治療の適用範囲なのかと尋ねた。
「線引きは医師によって違いますが、瞼が落ちてきて、黒目の中心にある瞳孔から上瞼の縁までの長さが3.5ミリ以下(前記事参照)であることを目安にするのが主流。でも私は、日常生活にどれほど支障をきたしているのかも、重要だと考えています」
自費治療と保険治療の違いも大いに気になるところだ。
「当院では自費治療も行っていますが、その場合、たとえば、二重の幅を何ミリにしたいといったリクエストに対して、目の健康を考えながらできる範囲でお応えします。
実は美容外科で瞼を上げすぎてドライアイを引き起こし、駆け込んでくる方も珍しくないのです。一方、保険治療の場合には、あくまでも機能回復がメインですので、審美的なご要望にお応えすることはできません」
手術方法はいくつかあり、症状や目の形をふまえて医師が判断する。私は瞼の裏側で筋肉を縫い縮める挙筋短縮術の一種、MMCRを施すことになった。