戦国時代を背景に、濃すぎる人間ドラマ

ただ、見る前に多少の予備知識はつけておくのをお薦め。徳川家康が天下を取るまでの戦国時代を舞台にしたテレビドラマで、1980年には三船敏郎と島田陽子の出演版が作られています。原作は1975年に発表されたジェームズ・クラヴェル作の小説『将軍』。

クラヴェルは史実だけに囚われず、自由なストーリーを作りたかったのでしょう。登場人物が実在の歴史人物をモデルにしつつも違う名前なので、半端に知識のある日本人は、最初かなり混乱をきたします。が、「どんだけ勉強したんですか!??」と言いたくなるくらい、当時の日本の時代背景を把握して描かれているんです。Disneyの公式ページやWikipediaには、各登場人物のモデルが誰かの一覧や、人物相関図が載っていますので、ぜひ参考に!

さて、今回世界の注目を集めた真田広之が演じる「吉井虎永」のモデルが、徳川家康。「太閤」即ち豊臣秀吉の死後、息子の「「八重千代」(豊臣秀頼)が成人するまで、治世すべし」と任されたのが「五大老」と呼ばれた大名たちで、虎永(家康)もその1人。このシステムは、秀吉の作り上げた「天下」と、八重千代への世襲を守るためのものでしたが、結局は大老たちが権勢を争うことになり、1人傑出した虎永(家康)と、他の四大老が対立。「石堂和成」(石田三成)が牛耳る「大阪城」と、虎永が根城にする「江戸城」が対立する構図となった戦国時代を背景に、濃すぎる人間ドラマが描かれるのです。

孤立した虎永が勝つためには、大阪を攻める理由も必要だし、勝つための武器も必要。そんなときに網代(熱海の海岸)に漂着したのが、大砲や鉄砲を積んで難破したイギリスの船だったからさあ大変。こちらに乗っていたイギリス/人航海士「ジョン・ブラックソーン」(ウィリアム・アダムス/演:コズモ・ジャーヴィス)や他の乗組員が、最初は捕虜とされ、1人は窯ゆで。ブラックソーンも殺されかけますが、命拾い。虎永に重用されて「按針」と呼ばれ、日本の文化に反発しながらも、西欧の戦術を虎永の軍に教え、通訳を務める女性と恋に落ちていくのです。