「けっこうな波瀾の日々だったはずですが、僕自身のあり方は変わらないというか」

思い悩んでいても人には言わないタイプです

ベートーヴェンは、暴力的な父親との関係や自身の病気など多くの苦悩を抱えていました。大変な人生だったと思いますが、一方で彼の音楽はその苦悩がなかったら生まれなかったとも言えます。

もちろん彼自身は苦悩を糧に作品を作ったわけではなく、厳しい環境の中で作品が生まれてしまった、ということなんでしょうけどね。僕自身はできるだけ苦しみを回避したい性格なので、いくら後世に名が残るとしても、そういう人生は遠慮したいです。(笑)

また、耳が聞こえなくなった彼は、絶望のあまり一度は死を考えたと言われています。そしてそこから再び立ち上がる原動力になったのは、やはり音楽でした。幸か不幸か、僕はそこまで思い悩むタイプではないので、彼のようにドラマチックなエピソードは持っていません。

もちろん、この歳になるまでには、それなりにいろいろありました。なかでも42~43歳の時に自分の周りの環境が変わったことは大きかったですね。

香取慎吾、草なぎ剛とともに「新しい地図」を結成して、もう7年。けっこうな波瀾の日々だったはずですが、僕自身のあり方は変わらないというか。僕は自分の心情と仕事を分けて考えるほうなんです。