よく使われる着色料は?
着色料は、化学的に製造された「合成着色料」と、植物などから抽出された「天然着色料」に分かれます。
合成着色料は発色・色持ちがよく、低コストです。一方天然着色料は、合成着色料よりも発色が自然ですが、生産コストが高いという特徴があります。
ここでは、食品のパッケージでよく見かける身近な着色料をいくつかご紹介します。
(合成着色料)
・食用タール系色素
石油を原料とし、発色と色持ちが良いのが特徴です。
現在12種類の食用色素が指定されていて、一般に「赤色×号」「青色×号」「緑色×号」「黄色×号」と呼ばれています。
(天然着色料)
・クチナシ黄色素
クチナシの実から抽出される、鮮やかな黄色の色素です。ラーメンや卵加工品、お菓子などさまざまな食品に使われています。日本では昔から栗の甘露煮やたくあんなどの色付けに用いられていて、歴史の長い着色料です。
なお、クチナシの実から抽出した成分に酵素を加えることで、「クチナシ赤色素」や「クチナシ青色素」も作られます。
・ベニバナ黄色素
キク科の植物「ベニバナ」の花から抽出される黄色い色素です。レモンやパイナップルといった黄色いフルーツ系の飲料や飴、ゼリーなどの着色によく使われています。
ベニバナには赤い色素も含まれていて、「ベニバナ赤色素」も抽出されます。日本では黄色素よりも赤色素のほうが歴史が長く、古くは化粧品などに使う高級染料として重宝されてきました。
・コチニール色素
サボテンにつく中南米原産の昆虫「コチニールカイガラムシ(エンジムシ)」から抽出した動物色素で、ピンク色や紫色を示します。ハムやソーセージなどの畜肉加工品、かまぼこや魚肉ソーセージなどの水産加工品によく使われています。
南米ではインカ帝国の時代から染料として使われていたとされ、とても長い歴史を持つ着色料です。