イメージ(写真提供:Photo AC)
食品のパッケージでよく見かける「着色料」の表示。その名の通り食品に色をつけるための添加物ですが、「わざわざ色をつける意味はあるの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。食に身近な着色料について、使われる目的や安全性などを解説します。
この記事の目次
着色料はなぜ使われる?
よく使われる着色料は? 安全性の問題は?

着色料はなぜ使われる?

着色料は、食品の色合いを調整しておいしく見せるために使われます。

食品は、素材そのままの色を保ち続けることがとても難しく、加工の過程や保管環境によって変色・退色してしまうものです。人の食欲は食品の見た目にも大きく影響されるといわれているため、食品の色が悪いと食欲減退につながりかねません。そこで、人為的に着色することで色を調整しているのです。

変色しやすい食べ物の例としては、原料に抹茶を使用したお菓子が挙げられます。

抹茶の鮮やかな緑色は、「クロロフィル」という色素に由来します。ただ、クロロフィルはとても不安定な色素で、光や熱、酸素に反応して容易に茶色く変色してしまいます。抹茶のお菓子が茶色ではおいしそうに見えないので、着色料を使って色を補い、抹茶らしい色合いを保っているのです。

着色料はお菓子のほか、畜肉加工品(ハムやソーセージなど)、漬物、水産加工品、飲料など幅広い食品に使われています。ただし、鮮魚介類や食肉、野菜類に使用することは禁止されています。これらの食品に着色すると、本来の品質や鮮度がわかりにくくなってしまうためです。

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