不機嫌な表情で私に……

思えば、以前いた生え抜きの社員さんは、何て優しかったのだろう。ボーナス日には、支給されない非正規雇用の私たちに、近くのホテルで慰労を兼ねて美味しいランチをご馳走してくれた。

ほかにも、年末に取引先からカレンダーをいただくと、まず私たちから選ぶよう段取りをしてくれ、残りを自分たち社員が持ち帰った。ひとつひとつは些細なことでも、その細やかな気遣いがどれだけ嬉しかったか。

一方Aさんはというと、当然のようにいただき物は自らがまっ先に選び、残りを私たちへ与える。あらゆる言動から彼女の卑しさが感じられ、職場の空気は悪くなるばかりだった。