夫に「姪は警察へ行ったの?」と聞くと、「被害届を出したらしい」と言う。

「それなら、姪の夫に警察から連絡がいくよね?」と尋ねると、夫は「足が痛い……」と話を変えた。まさか共犯か?

翌朝、私は警察署に電話をした。姪が本当にスリの被害に遭ったのかを聞こうと思ったからだ。しかし、「こちらは相談窓口なので」と教えてもらえない。つい私は、泣きながら身の上相談を始めてしまった。

すると相談窓口の年配らしき男性は、「あくまでも個人の意見として」と前置きしつつ、「万が一、お金を貸すのなら、お義母さんのお金ではなく、『姪が何月何日にスリの被害に遭い、30万円を紛失。そのお金を貸すものとする』という借用書を作り、姪や義姉に『この借用書は司法書士に頼んで公的な書類にする』と伝えればいい。

もし財布をスラれたのが嘘なら、お金はいりませんと言ってくるだろう」とアドバイスしてくれたのだ。