<金々野郎>に<目ばかり頭巾>
まずは吉原の女郎から探りはじめた蔦重。
すると細いマゲで、長い着物を引きずりながら歩く<金々野郎>とのやりとりを話して、爆笑をする女郎たち。
続けて次郎兵衛からは<目ばかり頭巾>の話が寄せられます。
<目ばかり頭巾>とは、文字通り目だけを出した頭巾をかぶってやってくる客のことを指し、当時の吉原では出入り禁止にされていたようです。
「どっかの<半可通>にでも教えられたのかねえ。被っていくのが「通」だって。今は禁止になったやつだよ」「止められて大門でひん剥かれてさ」
画面には次郎兵衛が提灯を片手に<目ばかり頭巾>が追い出される様を、市中の人たちとゲラゲラ笑いながら見ていた様子が回想されます。
思い出し笑いをする次郎兵衛を前に、その逸話を青本に収録するべく、蔦重はメモをとり続けるのでした。