小栗は持っている人です。身分、能力、機会に恵まれた変わり者の天才となれば鼻につく人物かもしれません。実際、無血開城の立役者、勝海舟は小栗を疎んじました。しかし小栗は官吏であり、いわゆるリーダーではありません。公の人です。そして小栗は持っている人だからこそ《個》として自由に生きることを自分には許さなかった。つねに公がなすべきことを考え、変容せざるをえない国を少しでも良くしようと邁進する。その高潔さと頑固さは清々しいほどで、混乱の世にあって希望たりえる人だったと思います。
松坂桃李さんはまさにそんな高潔さをまとう方です。小栗がどんな人だったかを想像するとき、勝手ながら姿がピタリと重なります。極限まで苦闘する幕臣がスッと実体をもって立ち上がってくる、顔が見えてくる、するとやはり思うのです。
「なぜ彼は処刑されなければならなかったのか」
小栗を知れば知るほど彼の死が悔しい。その死には謎があります。これを解明していく物語はこの動乱の時代をさらに心惹かれるものにしてくれるはずです。
《幕末》を書くことを許されたのは《今》だったからだと考えます。がんばります。
『逆賊の幕臣』は2027年放送予定。撮影は2026年の夏から開始される予定となっています。
ーーーー
<番組概要>
【放送予定】2027年1月~
【制作スケジュール】2026年 夏 クランクイン予定
【作】安達奈緒子
【制作統括】勝田 夏子
【演出】西村武五郎