やんわりと「NO」を発信し周囲の認識を変えていく

自己肯定感の低い人が陥りがちなのが、「気持ちを読んでほしい」という依存的な期待を持つこと。残念ですが、不平不満も要求も、口にしなければ伝わらないと思ったほうがよいでしょう。そこで、実際の人間関係において、自分の本当の気持ちを伝えるコツを解説します。

人それぞれの持って生まれた条件や事情を、私は「領域」と呼んでいます。会話においては、相手の領域を侵害せず、自分の領域内で話すことが大切。具体的には、「私は」を主語にして自分の気持ちを伝えるのです。たとえば夫に「あなたが部屋を汚したから掃除をして!」と言えば、反撃され言い合いになるでしょう。これを「私は部屋が散らかっていると落ち着かないから、片づけて」にすると、相手の受け取り方も違ってきます。

そして、お願いしたことをやってくれたら感謝してほめる。「あなたが干すとシャツがパリッとするわね」など、多少の誇張やウソは会話のテクニックです。このような会話を続けていくことで、相手はその状況に“慣れ”ていき、スムーズな意思疎通ができるようになります。

また、友人関係や職場などで、「都合のいい人」「頼まれやすい人」になってしまっている人も多いでしょう。でもそれは、自分の意思を伝えず引き受け続けてきてしまった結果。周りの人との関係性は、コミュニケーションによって作っていくものです。だからこそ、少しずつ周りに認識を変えてもらうことがポイント。やんわりと「NO」という意思を発信し続けることで、「この人には頼みにくい」という空気を作っていくのです。

時には、意思や提案を受け入れてもらえないこともあるでしょう。相手の事情にもよりますが、「じゃあ私がやるわ」とすぐに折れてしまうと、結局、「自分が我慢して相手に合わせる」という関係性を変えられません。

場合によっては、自分の本音を伝えることで仲がこじれることもありますが、所詮は自分が我慢して成り立つような関係だったのです。それがイヤなら関係を切って、尊重し合える新たな友人を作るほうが建設的だと思います。

実際の会話例を、次のページからシチュエーション別に紹介しましたので参考にしてください。
自分の意思を誰かに伝え、それが通ると大きな達成感を得られます。「言ってもいいのね」と徐々に本心を出せるようになる。

ありのままの自分をさらけ出して受け入れられると、ポカポカした温かい気持ちになり、相手とのがりを感じることができます。こうした成功体験を積むことで自己肯定感がどんどん高まり、無理せず付き合える心地よい人間関係を築いていけるでしょう。

“都合のいい人”にならない4の心得

【心得1】他人をありのまま受け入れ、尊重する
【心得2】自分が“気持ちいい”と感じる時間を増やす
【心得3】「私は」を主語にして気持ちを伝える
【心得4】「NO」を伝え続け、周りの認識を変えていく