夢咲ねねさん(左)と愛加あゆさん(右)。夢咲さんのInstagramより(@yumesaki__nene

自由な姉としっかりものの妹

振り返ってみれば、音楽学校時代も含めて、宝塚で過ごした12年間は私にとって激動の時代でした。目が覚めてから、夜、眠りに着くまで、宝塚のこと、舞台のことしか考えていませんでした。中学生の頃に憧れた大好きな世界に自分がいるのだと、「24時間じゃ足りない!」っていうくらいのめり込み、それこそ夢のような12年間だったと思います。

とはいえ、妹が「私も宝塚に入りたい」と言った当初は大反対しました。夢のように華やかな世界ではあるけれど、その世界を創り上げるためのレッスンはとても厳しいですからね。辛いこと、苦しいこと、泣きたいこともたくさんあります。その厳しさを、妹に味わわせたくなかったんです。それでも妹が本気で入りたいと言うので、私も全面的にサポートしようと決めました。

実は、私と妹はかなり性格が違います。子どもの頃から、私は自分の好きなことにしか興味がなくて、自分の希望をかなえてもらうために両親に直談判することもしょっちゅうで。たとえば、母とお買い物に行ったときに欲しい物を見つけたら、「買ってほしい!」と母が買ってくれるまで説得し続けて、それこそ泣くこともよくありました(笑)。で、妹はそれを見て「お姉ちゃん、もうやめたほうがいいよ」って、冷静に言うタイプ(笑)。赴くままの自由人な姉を見て、自分はいい子にしなきゃと思ったのかもしれません。

退団後に、2人でディナーショーのお仕事をしたときも、私は直前にならないと練習する気が起きないのに、真面目な妹は毎日練習したりとか。自由でワガママな姉と違い、優等生でしっかり者なんですね。