人生とは何か、人とは何か
3月13日に行われた完成試写会には、1話に登場する岡田、橋本、唐田が出席した。岡田は、村上作品への出演は映画『ドライブ・マイ・カー』に続き、2作目。
撮影は去年だったが、「まだすべてを理解できていない状況。未だに自分の頭の中をぐるぐる回っている感じがしまして、答えが出ないまま皆様に提示するのがいいのかどうかという迷いもありました。前回、村上さんの作品をやらせていただいたときもそうだったんですが、答えがない。人生とは何か、人とは何かということをずっと自分に問いかける作品になっていると思いますし、そういう風に見ていただけたら嬉しいです。小村の内部にある痛みというものが、どこで出てくるかっていうのが多分このドラマの見どころだと思う」と話した。
阪神・淡路大震災の翌年に熊本県で生まれた橋本は「自分の生活感覚や人生感覚そのものが、揺らいだ後に形成されたものだなとすごく実感しました。日々生きているこの景色も世界も諸行無常で、常に移り変わりのあるものだなっていう感覚は物心ついたときからある。地震の後の余波の上に、私たちの命や人生があるということに改めて気づかされました」と語った。
不思議な雰囲気の女性・シマオを演じた唐田は「この作品を全部理解できたかといえば、そうはっきり言えない。この難しさ、わからなさ、不安定なもののなかで演じる、だからこそのおもしろさを今回感じることができました」とコメントした。
脚本は、映画『ドライブ・マイ・カー』の大江崇允。演出は、ドラマ『その街のこども』『あまちゃん』でも震災を描いてきた井上剛。