終わったと思った瞬間…
そんな中、武元の屋敷に招かれた意次。
親指が変色した手袋をみせられ、「終わった」と思った矢先、武元は大笑い。
意次が犯人だったら手袋をそのままにしていたわけはないこと、さらに意次のことは気に食わないなりに、その忠義を認めていたことを初めて話します。
そして「見くびるな」「これを機に使い追い落としなどすれば、まことの外道を見逃すことになる。わしはそれほど愚かではない」などと一喝。
「そなたの考えは好かぬ。世の大事はまずはカネ。それが当世であることはわしとて分かる。しかしカネというものは、いざという時にコメのように食えもせねば、刀のように身を守ってもくれぬ。人のように手を差し伸べてもくれぬ。さように頼りなきモノであるにもかかわらず、そなたも世の者も、カネの力を…信じすぎているようにわしには思える」
とあらためてその真意を語った武元。それを聞いた意次は返す言葉もなく、その場でうなだれるのでした。