ウォーキング中に彼女が、「歩きすぎると膝を悪くするわよ」と…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは群馬県の50代の方からのお便り。ウォーキング中、近所の年上の女性に声をかけられて――。

今にして思えば

40歳の頃、新興住宅地に越してきて、民生委員をしているご近所の女性と知り合いました。60代後半で一人暮らしの彼女は、私が日課のウォーキングをする時によく家の近くに立っていて、挨拶を交わすようになったのです。

ある日、ウォーキング中に彼女が、「歩きすぎると膝を悪くするわよ」と話しかけてきました。まだまだ若いのだから、あなたとは一緒にしないで! とムッとしつつも、笑顔で会釈。

別の日には立ち話になり、「テーブル席が苦手なの。ずっと椅子に座っていると膝が痛くなるし、物を落とした時に拾うのがしんどくて」と話します。膝が痛いのなら、椅子のほうが楽では? と思いつつ、精一杯愛想よく相槌を打っていました。

その彼女は70代前半で病気により逝去。やがて私は50代に入り、膝痛で整形外科のお世話になり始めました。原因はなんと歩きすぎ。また、椅子に長時間座っていると膝が痛むようになり、物を拾うのがしんどくてたまりません。全部、彼女が言った通りになったのです。

その方は70代でしたが、私は50代にしてこのありさま。こんなことなら、もっと彼女の言葉に素直に耳を傾けていればよかったな、と激しく後悔しています。

よく、時代が違うから高齢者とは話が合わない、と言う若者がいると聞きますが、私もその一人でした。これからは、世代の違いを意識しつつも、ありがたく話を聞こうと思います。


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