寡黙な男が似合う細田佳央太

控えめでおとなしい蘭子が思いを寄せるのが、石工の豪だ。寡黙で真面目、親方である釜次を慕う職人気質の人物だ。出征直前、蘭子に気持ちを伝えるかどうか揺れる思い、朝田家への感謝…せりふが少ないながらも、細田さんが繊細な演技で見事に表現した。細田さんは実は、嵩の弟・柳井千尋役のオーディションに参加していた。

(『あんぱん』/(c)NHK) 

「次世代のエースというような方々に数十人お集まりいただきました。その中に、細田さんも(千尋役の)中沢(元紀さん)もいらっしゃいました」と明かす。

細田さんと会った時に「寡黙な男が似合う」と感じたという。ただ、「すでに多方面で活躍されていたし映画の主演もされている。セリフの少ない役を受けていただけるだろうかとは思いました」。脚本の中園ミホさんにも相談したうえで、豪役をオファーしたところ、実現したという。

「細田さん本人の真面目でストイック、真摯な人柄も含めて、豪のキャラクターとリンクするところがありました。仕上がりを見ても細田さんにお願いしてよかったですね」