長年祖母のお手伝いさんとして働いてくれているCさんは…
101歳を迎えた作家の佐藤愛子さん。100万部突破の『九十歳。何がめでたい』(2016年、小学館)をはじめ、ユーモアエッセイで長く人気を博しています。百寿者とは思えぬ仕事ぶりの一方で、家族からみた佐藤愛子さんの姿とは。孫の杉山桃子さんがコミックとエッセイで描く『婦人公論』の連載「うちのばあさん101歳」。第4回目は「Cさん、覚醒」。

Cさん、覚醒

Cさんは、令和では絶滅危惧種となった「世話焼きおばさん」である。

町で誰かとすれ違えば大体知り合い。すぐ立ち話が始まる。

そして話が長い。そのうえ早口である。矢継ぎ早に言葉が飛んでくる。

Cさんからの質問に答えようとしても答える余地を与えない。

 

電話だと顔が見えないぶん、もっと難易度が高い。おまけに電話が終わらない。

「よろしくお願いします、それでは……」と言っても聞こえていない。