結果的におトクはどっち?

【1】まとめ買いをしない

「キャベツを丸ごと買うと、夏場は余らせて捨ててしまう」という相談を受けたことがあります。半分サイズやサイズの購入を勧めたのですが、その方は「丸ごと買ったほうが割安だから」とあまり納得されませんでした。

1玉198円と半分サイズ100円のキャベツ。結局半分しか食べないのであれば、98円を捨てているのと同じことです。冷凍保存などの工夫をしても、存在を忘れることはありますよね。それより「1週間で食べきれる大きさ」で買うことを心がけてみませんか。

3本まとめて売っているキュウリなども同様。1本で足りるなら、バラ売りを買ったほうが結局はおトクです。水分の多い野菜や生鮮食品のまとめ買いは、特に避けたほうがよいでしょう。

 

【2】調味料はサイズも選ぶ

どの家庭にも必ずあり、使い切れないまま期限が切れることの多い、調味料。醤油や油など、おトクだからと大きなサイズで購入したものの、半分使ったあたりで酸化したり、風味が落ちて捨てたり、という経験はありませんか。

特にマヨネーズやソース、ケチャップなどは醤油や油ほどの量は使わないはず。たとえ買う時は割高に感じても、小さいサイズを買って、新鮮なままおいしく使い切ったほうが、結果的におトクではないでしょうか。5~10g入りの小袋タイプも便利です。


ドレッシングの主要購買層は、60~70代と言われています。使いかけのまま冷蔵庫に何本も入っているご家庭は多いでしょう。ドレッシングの賞味期限は未開封で3~6ヵ月ですが、開封後は1ヵ月ほどで使い切るのが望ましいと言われています。ふたり暮らしのご家庭で、1ヵ月に150~180mL入りのサイズで余らせてしまうことが続くなら、こちらも少量の小袋タイプなどに切り替えてもいいかもしれません。

 

【3】買い物の前に

買い物の前にメモをつくるのは、節約術の定番として知られていますが、私のおすすめは、週に1度、1週間分の献立を考えて、買うべき物を書き出すこと。

そのうえで、買い物の直前に冷蔵庫の中を確認すれば、ムダな買いすぎを防げます。スマホのカメラで、冷蔵庫や棚の写真を撮って出かけるのもいいですね。ついほしくなる新商品や限定商品は、1週間に1つだけ買う、と決めてもいいでしょう。

また、出かけるタイミングとしては、お腹が満たされた食後が望ましいです。アメリカのある研究によると、空腹状態で買い物をする人はそうでない人に比べ、最大で64%も多くお金を使うのだとか。一世帯平均の毎月の食費が約5万円(外食を除く)とすると、3万円以上もよけいに使ってしまうかも……。そう考えるとこわいですよね。

 

【4】冷蔵庫は月1で掃除

テレビ番組などでは、“できる主婦”の例として、食品を冷蔵庫にパンパンに詰め込んでいるご家庭の様子が紹介されます。一見経済的に見えますが、実は電気代と食品ロスどちらの面から考えても、冷蔵庫はスッキリさせておくのが理想的。容量の7割程度にとどめると電気代が35%抑えられるうえ、入っている物を見失わずにすみます。

冷蔵庫も人間の体と同じ。「入れる」ばかりで「出す」がなければ便秘になってしまいます。「出した分だけ入れる」ことを心がけ、最低でも月に1度は、傷んだ物や期限切れの物がないかチェックしてください。冷凍した精肉も、保存がきく目安は約1ヵ月です。