<前回のあらすじ>
「何してるんですか?私たちの部屋で」――。
【ホルスの目殺人事件】の真相を追う万琴は、疑惑を払拭したい一心で侵入した浩暉の部屋で、見知らぬ女性(齋藤飛鳥さん)に遭遇。浩暉はその女性と一緒に暮らしているようで……。
浩暉と一緒に暮らしている女性の名前は、「みくる」。彼女は、浩暉が万琴と出会ってから変わったと「私の浩くんを返してください」と万琴に詰め寄る。
万琴は、何も言い訳しない浩暉に「もう会わない」と別れを告げる。
傷ついた万琴は向葵(森田望智さん)を部屋に呼んでヤケ食い。「万琴への気持ちはウソには思えなかった」と言う向葵。だが、万琴は一度も「好き」と言われたことがないことを思いだし、自分が単なる浮気相手でしかなかったことに気付くと、浩暉の連絡先をブロックしてしまう。
ホルスの犯人が被害者たちの血を持ち帰っていた可能性が浮かび上がる中、万琴は浩暉の部屋の冷蔵庫で見た赤い液体入りの袋が気になっていた。そんな万琴に、配達員の唯月(望月歩さん)が「俺つかんでしまったかもしれないんだよ!」と、事件に関する重要なネタを手に入れたと報告。それは鑑識・松岡(浜野謙太さん)についての妙なウワサで……。
唯月の話によると、鑑識・松岡は血液に異常に執着しており、その執着から起こした不祥事を副総監である叔父にもみ消してもらっているという。もし犯人が鑑識なら、現場から痕跡が一切出ないのも納得がいく。しかし、松岡の身長は犯人よりかなり低く――。
一方、刑事の正聖は、松岡から浩暉が《血》にこだわる理由…設楽久美子(紺野まひるさん)がC型肝炎ウイルスのキャリアだったと聞かされる。可能性は低いが、息子・浩暉も母子感染している可能性がある。《健康な血》への執着が浩暉の犯行動機なのか?半信半疑の正聖と大和田(猫背椿さん)。
そんな中、万琴の後輩・木下(小林虎之介さん)のもとに、1件目の被害者の夫・池内大毅から『犯人の目撃情報が寄せられた』との知らせが届く。実は木下は、SNSで目撃情報を募る大毅の力になろうと、連絡を取り合っていたのだ。
これから情報提供者に会って直接話を聞くという大毅に同行取材することになる。現場に向かう万琴と木下の前に現れる浩暉。木下が「一緒にいたらスクープ撮れそう」という理由で呼んだのだ。
動揺する万琴に、浩暉は今までと変わらない調子で話しかけ、みくるのことを「彼女ではない」と言う。
しかし、正聖によると浩暉の戸籍に姉や妹はおらず、住民票も一人暮らし。家族でもなさそうで…。大毅の取材が始まるものの、一向に情報提供者は現れず…。
「どっかで笑って見てんだろ!出て来いよ!」と、やり場のない怒りに震える大毅。悪質なイタズラに憤った木下は、この事実を伝えたいと大毅に許可をもらい、そのまま顔出しで放送することに。
その夜、向葵は煮え切らない正聖に「さっさと告白しなさい!」とハッパをかける。「私もそろそろ前に進まないといけないからね」とつぶやく向葵に気づかない正聖は、告白の仕方を相談して…。
翌日、出社する万琴をみくるが待ち構えており、浩暉と関わるなと牽制。みくるは自分と浩暉の関係を『共犯者』と言い、「あなたは本当の浩くんを知らない。浩くんも、あなたには話さない……絶対に」と告げて去っていく。
そんな中、大毅の一件が思わぬ波紋を呼ぶ。大毅の激怒する映像がネット上で切り取られ、『犯人こいつだろ』などと世間が犯人扱いし始めたのだ。
野田や沙樹(西田尚美さん)は番組に落ち度はないと言うが、この事態を予測できなかった万琴は、「一番守らないといけない人を傷つけて、私たちは一体なんのために番組を作ってるんですか」――。
一方、こうなることを予想し記事にしなかった浩暉は、相談に来た木下に「世論を操るのは簡単だよ。誰かがストーリーを作れば、それが真実みたいな顔して一人歩きするんだから…」と静かに言う。
その夜、万琴は夜道で不審な人物に襲われそうになる。肩を掴まれた瞬間、浩暉に助けられ…。怯える万琴に、浩暉は「ごめん、今のたぶん俺の親父」。
警察にマークされている貫路(萩原聖人さん)と浩暉が今もつながっていることに驚く万琴は、浩暉のことを何も信じられなくなり、去っていく。肩を落とす浩暉は物陰に向かって、「勝手なことするの、やめてくれる?父さん」。すると物陰から貫路が現れ――。
翌日、万琴は『週刊新流』の新着記事を見て、目を疑う。『ホルスの目殺人には序章があった!?10年前の事件との奇妙な一致』というタイトルの、浩暉の記事。そこには、10年前に母・久美子が殺害され、浩暉が容疑者となり、貫路が逮捕されるまでのいきさつと、今、警察が連続殺人事件の重要参考人として再び貫路をマークしていることが書かれていた。
浩暉が大毅への疑惑の目をそらすために、世間の関心を引く新しいストーリーを投下したのだ。居ても立ってもいられなくなった万琴が浩暉の元へ向かおうとすると、正聖が現れ、「行くな!行っちゃだめだ!……好きなんだよ!」
――しかし万琴は「ごめんね」と言い残し、浩暉の元へ。浩暉と落ち合った万琴は「浩暉のこと、全然信じられないよ…だけど、どうしても手放せないんだよ」。出会わなければ良かった、そう言いながらも離れられない浩暉と万琴――。
一方、フラれた正聖のもとに大和田から電話がかかってくる。大和田は、正聖の失恋を知ると「じゃあ、飲み行くか!」と慰める約束をし、ホルスの目の犯人は貫路ではないと断言。何かを調べると言って電話を切る。そこは、病院。大和田は、前を歩く看護師を呼び止める。振り返った看護師は、向葵で……。
その日の深夜、病院の裏で、大和田が血だらけの遺体となって発見されて――!?