「当たり前だと思っていた」
詩穂は「あの頃、ずっと思ってた。1日でいい。誰かにご飯を作ってもらいたいって」と本音を伝える。
それを聞いた純也は、「簡単な仕事だって思ってた。料理作るのも掃除も洗濯も買い物も、その気になれば誰にでもできる。ノルマがあるわけでも、納期があるわけでもない。そういうものは仕事じゃない、そう思っていた」と当時の心境を吐露。
コロッケを見ながら「これ…自分だけだったら、適当に手を抜いてもいいかってなるけど、誰かのためってなるとそうはいかないよな」と、今の思いを話しました。
「当り前だと思ってた。ずっと母さんがいて詩穂がいて、何も変わらず暮らしていけるって。悪かった。母さんが死んでからも、俺は変わらなかった。当然のように詩穂に家事を押しつけて。ごめんな。詩穂が作ったご飯、おいしかったよ。おいしかった…」と涙ぐむ純也。
「掃除も買い物も洗濯もアイロンがけも、ありがとう」と、当時言えなかった感謝の言葉を改めて伝えます。
詩穂が家を後にするとき、「元気でな。もしまた、また誰かの作ったご飯が食べたくなったら、俺でよければいつでも作るから」と声をかける純也。
そこへ、虎朗が苺を連れて迎えに来る。詩穂に抱っこされた苺は、純也を指さして「だぁれ?」と聞き、詩穂はそこで初めて「苺のおじいちゃんだよ」と伝えました。苺の差し出した手をにぎりって泣きそうになる純也に、詩穂は笑顔を見せます。