日本のお笑いとの違いは

――3人で活躍するときも、MCのときも、「お笑いの感覚がリョウタさんの武器になって活躍されているなぁ」と感動しました。ところで、先程「日本の笑いだとボケとツッコミが完全に分かれている」というような主旨のことをおっしゃっていましたが、「タイのお笑いと日本のお笑いの違い」をお伺いできると嬉しいです。

タイのお笑いは、テレビの生放送だとしても、後ろの方に演奏隊がいて、ボケたときにバーンって音を鳴らすんですよ。「ボケですよ」っていう。(そういう風にして)お笑いのことよくわかってないとか、初めて見た人でも「絶対にここがボケだな」ってわかるように作っているんです。

日本みたいに言葉をもじってボケるっていうのももちろんあるんですけども……いずれにしろ「全視聴者にわかりやすく伝える」のがタイのスタイルです。

眼鏡スタイルのリョウタ(逢見亮太)さん
リョウタさん提供

僕は「日本のお笑いはちょっとレベル高すぎるな」と思っていて……なんていうんですかね? 日本だとみなさん(ボケてツッコむっていう)お笑いのシステム=文化をもう100パーセント知ってるじゃないですか? そのベースを紳助さんとか松本さんが作り上げちゃってるので。

じゃあ日本でめっちゃ面白いって言われるネタをやろうと思っても、その土台って「日本の芸人の先輩たちが作ってきたもの」……土台ありきのボケなので、これをそのままタイでやってもウケないんですよ。

だからもっと(ハードルを)下げて、めちゃくちゃベーシックなやつを持ってかないとウケないんだなって、5年目ぐらいに気づいて……。

そこから、「今日本で流行っているお笑いをやってもウケないんじゃないのか?」と。「日本と同じじゃ無理だな。わかりやすいシンプルなやつをやっていこう」となりました。