三井住友銀行では、クレジット機能つきカードの入会者が対象となるキャンペーンも。ふだん利用している銀行のサイトをチェックしてみよう(写真提供:写真AC)
専門家が独自の目線で選ぶ「時代を表すキーワード」。今回は、経済ジャーナリストの荻原博子さんが、「銀行の高額キャンペーン」について解説します。

大盤振る舞いの裏には「ネット移行」推進の意図が

2020年3月15日まで実施されている三菱UFJ銀行の「Eco通帳(インターネット通帳)に切り替えて総額1億円プレゼントキャンペーン」に、応募が殺到しています。これは、三菱UFJ銀行の預金者が紙の通帳からネット通帳へ切り替えると、先着10万人に1000円がプレゼントされるというもの。

こうした大盤振る舞いをするのには、理由があります。それはメガバンクで進む支店の大幅な削減に伴い、ランニングコストがかからないインターネット上での個人取引を増やしたい、という銀行側の事情。地方銀行にもこの傾向が広がっており、横浜銀行ではWeb通帳(無通帳口座)に切り替えると、500円分のamazonギフト券がもらえます。

いっぽう、別の理由からキャンペーンを始める銀行も。じぶん銀行は、2月に「auじぶん銀行」へ行名を変更したことを機に、「どーんと総額1億円以上WALLETポイントプレゼント!」を始めました。じぶん銀行は、携帯電話ブランドauを持つKDDIと、三菱UFJ銀行が共同で出資して作った会社です。

このたびKDDIが出資比率を高めたことでau色を強くし、スマートフォンを活用するサービスを拡充。保険、証券の販売などさまざまなニーズに応える「スマートマネー構想」を打ち出しています。

さらに、セブン銀行も、スマホ決済サービス利用で総額5000万円が当たるキャンペーンを今年2月まで行っていました。銀行の高額還元キャンペーンの背景には、「ネット化」への動きがあります。まだまだこの流れは続くでしょう。