二人で顔を見合わせた

母もすでに目を覚ましていたようで、二人で顔を見合わせた。タクシーの運転手さんの心霊話が脳裏をよぎる。

眠ったまま不気味な笑い声を上げる祖母を尻目に、私と母はバルコニーで星を見上げてその夜を過ごした。

今となっては一緒に寝ることもないが、祖母は眠っているとも起きているともつかない状態にあるのだろう。

夢と現(うつつ)の狭間にいるのは案外楽しいかもしれない。起こされる側としては堪ったもんではないが。

 

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