133の国と地域を旅して、625ヵ所もの世界遺産を訪れている写真家・富井義夫さん。40年以上にわたって世界中を巡ってきた富井さんによる、『婦人公論』での新連載「世界遺産を旅する」。第3回は、「グレート・バリア・リーフ」をご紹介します
海と砂が織りなす大自然のアート

オーストラリア
オーストラリア大陸北東の海岸に広がる、世界最大のサンゴ礁地帯。グレート・バリア・リーフは、南北に約2300キロと、数ある自然遺産のなかでも桁違いの大きさを誇ります。わずか数ミリのサンゴが今の大きさに至るまで、約1800万年の歳月がかかったと推定されているのです。
雲ひとつない快晴に恵まれた撮影日。上空からは、多彩な青色の海と白い砂が潮の満ち引きによって混ざり合った、優美なマーブル模様が見えました。その美しさは、とても言葉では言い表せません。ここでしか見ることのできない稀有な景観です。