2025年7月10日放送のNHK『あしたが変わるトリセツショー』では<改訂版・耳のトリセツ「軽度難聴・突発性難聴」>と題して軽度難聴の最新対策を紹介。そこで今回は、突発性難聴について専門医が解説した『婦人公論』2017年9月26日号の記事を再配信します。

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女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第4回は、「突発性難聴」です。(取材・文/松井宏夫〈医学ジャーナリスト〉)
目次
症状 耳の聞こえ以外の症状を伴う

原因 直接の原因は不明。免疫の低下が関係
治療 諦めないで人工内耳も視野に

予防 ストレスをうまく発散すること

〈症状〉耳の聞こえ以外の症状を伴う

明らかな原因もなく、突然発症する難聴が「突発性難聴」。朝目覚めて片方の耳が聞こえないことに気づき、受診したという方もいます。

片側の耳に起こるのが基本ですが、まれに両方の場合も。また、難聴に加えて「耳鳴り」「耳閉感」「めまい」などを伴うことが多く、「耳鳴り」は90%、登山時に起きるような「耳閉感」は70%、「めまい」は40%程度と高い頻度で起こります。

めまいを伴うと動けなくなるため、患者さんはパニックになり、救急車で脳神経外科や神経内科に運ばれますが、その際、「聞こえない」ということもしっかり訴える必要があります。

 

突発性難聴の症状

 

◇内耳の部分で起こる感音難聴である

・突然の難聴
・耳鳴り、耳閉感、めまいを伴うことがある
・片側性がほとんど(両側性はまれ)
(難聴:100%、耳鳴り:90%、耳閉感:70%、めまい:40%)