《年金クイズ ステップ3》解答と解説

〈答え〉
 Q4 (1)=×、(2)=×、(3)=〇
 Q5 (1)=〇、(2)=×、(3)=×
 Q6 (1)=×、(2)=〇、(3)=×

見落としがないように

ステップ2で年金の見込み額を算出し、「こんなに少ないの?」と落ち込んだ人もいるかもしれません。でも、まずは現状を把握してから、受給額を増やす方法について考えていきましょう。

Q4の(1)(2)にあるように、受給開始年齢は夫婦で揃える必要はなく、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給開始年齢をずらすこともできます。また、国民年金は免除分を後から払う「追納」が可能です。

学生や無職、収入が少ないなどの理由があれば、所定の手続きによって免除が認められます。過去に免除期間がある場合、10年以内の保険料を追納できます(ただし諸条件あり)

本記事が収録されているムック『これだけやれば大丈夫! 人生100年時代の「老後のお金」』

 

一方、未納分を支払うことは「後納」といいます。こちらは過去2年分しか遡れません。

年金は、こつこつと年金を受けとる権利の積み立てをしているようなもの。“長生き保険”とも言えますから、1ヵ月分でも無駄にせず納めましょう。「追納」や「後納」できる金銭的余裕があるのなら支払ったほうが、受給予定額の上乗せにつながります。

Q5の加給年金も知っておきたい制度です。夫が老齢厚生年金を受給する時点で、その配偶者が65歳未満かつ年収850万円未満の場合、夫の厚生年金に上乗せ受給できるもの。

夫の老齢厚生年金の受給申請時に、配偶者の所得などを記入して申請するようになっています。また、妻が65歳になると加給年金は停止される。この加給年金の有無で年間約40 万円は違ってきます。

Q6の遺族厚生年金とは、夫が会社員や公務員で、夫が亡くなったあとに支給されるものです。受給額は夫が受け取るはずの老齢厚生年金の4分の3(75%)。妻が65歳になり年金を受給する時には、自分の老齢基礎年金に遺族厚生年金が加えられることになります。ただし、妻自身に老齢厚生年金がある場合は、妻の老齢厚生年金が優先され、遺族厚生年金のほうが多い場合は、その差額が遺族厚生年金として支給されます。

加給年金も遺族厚生年金も「ねんきん定期便」には記載されていませんが、遺族厚生年金の額は、夫の「ねんきん定期便」を見れば計算できます。妻がおひとりさまになった時、この遺族厚生年金と、自分の老齢基礎年金が生活費の支えとなるのです。