自己防衛としての志村けん
久保 ところで今日は不機嫌なときの落としどころがやっとわかった。不機嫌になりそうなときは、おばあちゃんを降ろす(*)。
*不機嫌になったときに、その感情をストレートに出すのではなく、おばあちゃんのような口調で表現すると、あまりとげとげしくならない……と久保が発見。おばあちゃんの口調は、片岡鶴太郎がやる浦辺粂子のものまねに近いイメージ。
ヒャダ ええ、勉強になりました。自分も麻雀でトラウマがありましたから(*)。僕の場合は、あそこでおじいさんになってれば良かったんですね。昔、ボウリングで(ガーター続きで)すごい不機嫌になったときも、おじいさんになってれば良かった。
*麻雀をしていた際、負けが込んできて不機嫌になり、どんどん口数が減って場の空気を悪くしてしまったという苦い経験。
能町 志村けんになってもいいんじゃないですか?
久保 そうか、志村けんか。私ちょうど、「志村けんを極めないといけない」と思ってたところだった(*)。
*以前、久保が図書館で声を荒げる利用客に遭遇し、「ああいう人に対応するにはどうしらいいか?」という話題になり、「志村けんのものまねで対応すれば、相手を逆上させず、むしろ相手から不審がられて好都合なのではないか」という話になった。ゲストのレッツゴーよしまさから「クレーム対応の電話を受けるとき、志村けんっぽく対応したことがある」と聞いたことがヒントになった。
──怒ってる感じには見えませんし。
久保 いきなりキレる人に対して、こっちも急にキレることってなかなかできないじゃない? だったら、上手に志村けんを降ろすしかないんじゃないかなって。お互いの戦闘意欲をかき混ぜて、拡散して、「敵じゃねえよ」って感じを出すしかないのかなって。
ヒャダ 問題は、どの志村けんを降ろすかですよね。
久保 どれかな……変なおじさん風に「なんだチミはってか?」というのもあるけど、やっぱりひとみばあさんがベストかもしれない。救命講習に参加するみたいな感じで、「エマージェンシー志村」を身に付けないといけないね。なかなか難しいんだけど。
ヒャダ 単純に「あんだって?」と言うだけでもいいんじゃないですか?
──確かに。「なんだって?」を志村風に「あんだって?」にするだけで、けっこう印象変わりますよ。
久保 変わる変わる。「あんだって?」
能町 「あんだって?」と言うと、誰が言っても絶対に志村になっちゃいますよね。志村じゃなく「あんだって?」と言うほうが難しい。
久保 あんまりやり過ぎると、近所で「志村」とあだ名を付けられて、私のほうが怪しまれるかもしれない(笑)。
一同 (笑)