やりたいことができていることに感謝を忘れず
九条:人生ってそんなステージがあるんですね!羨ましいです。僕はかつて「コウテイ」というコンビだったのですけど、その相方と三度別れて、その後組んだ人とも別れて…芸人としてバツ2、バツ4?なんですかね。今は1人を謳歌しています。ただ2人だからこそ生まれる芸もあるので、また新しい相方と組むことも考えなくはないです。
神野:そう、1人の才能には限りがあって、誰かと出会うことによって新しいことができるようになる。だからお仕事の面でも出会いは本当に大切。私はこれから先もいろんな人に出会いたいという興味でいっぱい。逆を返せば、そういう欲求がなくなったら終わりだと思う。
九条:そうですね、僕もいっぱいいっぱいになった時はお風呂に顔をつっこんでゴボゴボゴボゴボって苦しくなるまでやるんです。それでバッと顔を上げて鏡を見て、自分のこと「いい男だな!」って思えたら「まだ大丈夫」って思う。今のところいつも思えているので大丈夫そうです。
神野:変わった確認方法ね!ま、とにかく自分のこと好きって思えたら大丈夫だよね。でも九条さんって繊細で、陰なところを持っているよね?
九条:わかりますか?陰湿な人間です。
神野:芸人さんって大抵テレビで見せてる顔と違ってストイックで暗い人が大半よね。
九条:根っから明るい人は、割と養成所の時点で辞めていくことが多いですね。他に楽しいこと知っているからなのかな?結局、芸人は陰湿な人の方が面白いし、仕事として続くんじゃないかなと思いますね。
神野:仕事として続くのはやっぱり本人が“そうじゃない部分”を持っているからのような気がしますよね。歌っていてひたすら楽しいっていうだけの性格じゃないから仕事になっているのかな。私も結婚して一度は仕事を辞めようと思ったんだけど、一年も「辞める」ことを続けられなかった。
九条:そうですね。これまで僕も相方も失いましたし、何度も辞めようと思いました。でも結局何度でもやりたいと思ってしまいます。
神野:私は、足の手術をした後は「辞める」というより、これ以上続けられないかもと思いました。でも、結局這い上がってしまう。そういうように生まれついてしまったのかな。
九条:この仕事が好きだって事ですね。芸人でも、ずっと続けられてきた人っておじいちゃんになってもセクシーなんですよね。凄みを感じる。そこまで僕も続けられたらって思っています。
神野:私もこれから10年は…と思っていますが、『SIZUKO』を演じるのはおそらく最後です。自分がやりたいことが今できていることが本当に幸せで、その感謝を忘れずに全15公演を走り切りたいですね。

公演概要
『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~』
期間 2025年8月1日(金)~8月11日(月・祝)
IMM THEATER(東京ドームシティ内)