結婚はもたれ合う関係ではうまくいかない

九条:結婚っていいものですか?

神野:私は一度離婚をしていて「もう二度と結婚なんか懲り懲り、一人が楽!」と思っていたんだけど、いざ再婚すると、気持ちがとても楽になりました。小さい頃から妹たちの生活を面倒みたりしながら生活してきたので。言葉にできない安心感があります。九条さんは、結婚したことはないの?

九条:ないです。したいとは思っていますけど。今年で31歳になるので、地元の同級生は結婚はもちろん、家を買って、子どもも生まれてっていう時期です。でも、いつの年でもいい出会いはあるということですね。僕は自分をまだ幸せにできてないので、人を幸せにするのは早いかなと思っています。

神野美伽さん、九条ジョーさん
僕は自分をまだ幸せにできてないので、人を幸せにするのは早いかなと…

神野:そうやねん。もたれ合う関係はうまくいかない。それに前の“表現者と作家” (作詞家の荒木とよひささん)という組み合わせも結婚には不向きだったかな。でもね、離婚後も荒木さんとは変わらずお仕事をしてきました。彼は、ずーっと同じ席に座って私のコンサートを見てきてくれています。彼はいろんな人に歌を書いていますが、書いてない行間まで歌うことができるのは私だけなんじゃないかって、思い上がりかもしれませんけど、自負しているんです。荒木さんには、早く新曲を書いてほしいとお願いしているの。

九条:素敵です。離婚された後も、気まずくなく会い続けられるご関係っていいですね。

神野:私の再婚前は、荒木さんにもパートナーの方がいらっしゃったので、プライベートで会うことは憚られました。でも再婚したら今の夫が荒木さんのことを「君を作ってくれた人でしょう。僕も会いたいよ」と言ってくれたんです。荒木さんのパートナーの方も一緒に季節に一度は4人で食事をしています。荒木さんは今年で82歳になるので、一回一回ありがたい気持ちでお会いしています。