ザブングル加藤くんという男は
加藤くんという男はできるだけ自転車を使い、歩き、自分でできることは自分でやり、水筒を持ち、おにぎりをもち、贅沢はたまのコンビニコーヒーで、服はユニクロで、贅沢に興味がなく、家族4人の旅行は1泊2日で5万以内に抑える、そんな男だ
「青木さん、節約は結果、健康に繋がるんですよ。歩けばタダで体力がつくわけですし、掃除だって、頼まないで自分でやる、それを楽しむんですよ」
はあ。
「青木さん、ブランドものとか、好きですよね」
「まあ、そこまで好きじゃないけど、あーでも、エルメスのバッグとか、欲しいよいつか、なんか、かっこいいじゃん」
「それは見栄ですよね」
「見栄?」
「誰かに見せたいんですよね?ほら、エルメスだぞ、みろよ、エルメス」
「みろよ、この筋肉みたいに見せたいわけじゃないけどさ。いや、別に、まあ、でもそうね、見せたいっていうか、ファッションていうか」
「見栄を張るとお金はたまらないですね」
はあ。
「青木さん、お金はいくら稼ぐかじゃなく」
「はい」
「いくら貯めるか、ですから」
「はい」
「しっかりやっていきましょう、僕は、どっちでもいいんですけど、人様の生き方ですから」
「やっていくよ。奢っててあげてた人の方が、自分より貯金多いんかい!ってこと、結構あるよ、びっくりするよ」
「それは、青木さんが見栄をはったんですよ」
「今度加藤くんに奢ってもらうわ」
「それは、やめときます。すいません」