「犬を食えと!?」
十一代将軍・家斉の父となった「御三卿」のひとつ一橋徳川家の当主・一橋治済に対し、「見苦しい!」と言い放つ、徳川御三家の紀州藩第九代藩主・徳川治貞。
かつて意知の葬列に石を投げ、佐野大明神ののぼりを立てた謎の男が、薄汚れた物乞いを後ろから支える。背景には「犬を食えと!?」とその謎の男の声が流れる。
その下に流れるは<全てを失った者の>の文字。
場面変わって江戸城。厳しい表情で松平定信が進む。
背景には「盗賊同然の主殿(とのも)。皆、田沼が招いたものであろう」と定信の声。
それから謹慎を続ける意次の姿が映る。