夫が亡くなり一人で暮らすAさんは、海外で働く娘さんと毎日LINEで連絡を取り合っていました。しかし、娘さんが忙しくて連絡できなかった1週間の間に、Aさんが急死。連絡が取れず心配した娘さんが帰国したときには、Aさんは引き取り手のない遺体として火葬された後でした。行政は、娘さんの連絡先を知る手段がなかったのです。
こういった事例が現実にあるので、「死後の手続きは家族がしてくれる」という思い込みはあらためたほうがいい。家族の有無にかかわらず、生きている間に「託す人を決める・託す・連絡ルートを確保する」まで済ませることが重要なのです。
一部の自治体では、自分で意思表示ができなくなった場合や死後に、事前登録した情報を関係機関や指定した人に開示してくれる「終活情報登録制度」が始まっています。
登録できるのは、「緊急連絡先」「お墓の所在」「遺言書やエンディングノートの保管場所」「死後事務委任の契約先」など。自分の住んでいる市区町村にこの制度がないか、調べてみるといいでしょう。