(撮影:小川 剛)
強い紫外線、エアコンによる乾燥、過剰な皮脂、睡眠不足に栄養不良……。過酷な夏を乗り越えた肌は、目には見えなくてもダメージが蓄積しています。秋の入り口で小さな変化を見逃さず、肌疲れを《ボヤ》のうちに消火することがその後のエイジングをスローダウンさせる近道になるのです(撮影:小川 剛取材・文:片岡えり)

肌内部の炎症を抑えてエイジングにブレーキを

高温多湿の夏に、ぐったりしているのは体だけではありません。実は肌も消耗し、疲れています。夏に受けるダメージと初秋に意識したい回復ケアについて、皮膚科医の山崎まいこ先生に伺いました。

「ダメージを与える一番の要因は、紫外線です。洗濯物を干したり、短時間の外出をしたり、室内の窓際にいるだけで紫外線は肌に降り注ぎ、日傘や日焼け止めアイテムでも完全には防げません。赤みやヒリヒリ感がなくても、肌の内側で微弱な炎症が起きて、活性酸素も発生。肌の酸化が進んでいると考えましょう」(山崎先生。以下同)

目に見えない微弱炎症や酸化を放置するとどうなるのでしょうか。

「メラニンの生成やコラーゲン、エラスチンの分解が促され、シミ、くすみ、シワ、たるみなどの肌老化が加速。また、バリア機能が乱れて、乾燥し刺激を受けやすくなり、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)も滞りがちに。最初は小さな火種でも、放っておくと周りに燃え広がり老化細胞が増えてしまいます」

内側にダメージを抱えた肌に、刺激の強い化粧品や攻めのエイジングケアを投入するのは逆効果。

「急がば回れ。まずは肌を落ち着かせ、抗酸化成分配合のアイテムを取り入れましょう。それだけで透明感やハリ、ツヤが戻るはずです」

ほかにも、初秋に行いたいリカバリーケアがあるそうです。

「紫外線から肌を守るために角質が厚くなっているので、不要な角質を穏やかに取り去ること。毛穴が目立たなくなり、シミを防ぐ効果も期待できます。また、夏は保湿の手抜きや栄養の偏りで、肌の内側が脱水傾向に。集中的に潤いを補うと同時に、肉・魚・卵・豆腐などのタンパク質や亜鉛、マグネシウムをしっかり摂取し、潤いを生み出す力を高めたいものです」

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