八木と蘭子のエピソードの理由は
<『あんぱん』の序盤で大きな反響を呼んだのが、朝田家の次女、蘭子(河合優実)と石工・豪(細田佳央太)の恋だ。豪の出征前夜に思いを通わせた2人。蘭子は豪が帰ってくる日を待っていたが、豪は戦死。「豪ちゃんに一生分の恋をした」と話していた蘭子だが、八木(妻夫木聡)に惹かれるようになり…>
蘭子と豪ちゃんが結ばれなかったことで、「なんで戦死させるんだ!」というご意見をたくさんいただきました。「なんとか、豪ちゃんを生きて帰してくれ」とも…。たくさんの反響をいただいたのは、蘭子を演じた河合優実さんと豪ちゃんを演じた細田佳央太さんの素晴らしい演技があったからこそ、と思っています。
物語が進むうちに、ここまで一途に豪ちゃんを想い続けてきた蘭子に、なんとか幸せになってほしいという気持ちが強くなってきました。ただ、あれだけ豪ちゃんと蘭子を応援いただいていると、蘭子がほかの恋愛に行くのはなかなか難しい。新しくいい男が現れても、誰も許してくれないだろうという気持ちもありました。一方で、孤児たちを抱きしめ、いつも子どもたちに愛情を注いでいる八木自身にも幸せになってほしいという思いもありました。蘭子の前に新しい男性が現れて恋に落ちるのではなく、妻夫木さん演じる八木と蘭子が結ばれる展開に自然となっていったという感じです。