主題歌をフル尺に変更
<最終回では終盤、2人が桜咲く外を歩くシーンから、RADWIMPSが歌う主題歌の『賜物』が初めてフル尺で流された。いつもと違い、落ち着いたアレンジのバージョンだ。これまで主題歌がなかった回は2回。飢えで倒れた嵩が父・清と再会したシーンと、のぶが「何者にもなれんかった」と葛藤を嵩に吐露するシーンだ。実は最終回は主題歌なしで構想していたという>
『賜物』のフルバージョンの歌詞がのぶ嵩の人生にリンクしていると当初から感じていました。それは、作詞されたRADWIMPSの野田洋次郎さんが、このドラマの内容に関しておそろしい程の時間を費やして考えた結果の「何かの結晶」だと感じていたんです。私だけでなく、スタッフ、そしてのぶ役の今田美桜さんと嵩役の北村匠海さんも同じように感じていました。
「最終週のどこかで、フル尺で『賜物』をかける事は出来ないか」とはおぼろげに考えてはいたんです。そうすれば、映像と音楽が思わぬ異化効果のような作用を及ぼすのではないか、と。
ただ、『賜物』は曲のイメージも強いですし、歌詞があるものを、劇中で使うと、セリフとかぶるし、内容を壊してしまう恐れもあります。だから、内容優先で、合えばかけるし、合わなければかけない―という選択だなと思っていました。