目尻の深いシワ、不機嫌そうに見える額や眉間のシワ……。いつのまにか増えたエイジングサインを放置すれば、さらに濃く深くなってしまいます。年齢だからと諦めるのではなく、最新コスメで薄く目立たなくして、肌も気持ちも若々しく保ちましょう(撮影:ケント・チャン 取材・文:片岡えり)
効果と安全性に優れた医薬部外品のメリット
すでに刻まれてしまったシワを薄くしたい。そんな願いに応えるアイテムが、医薬部外品(薬用化粧品)です。スキンケア・サイエンスコミュニケーターの次田哲也さんが解説します。
「一般的な化粧品の目的は、保湿や整肌などにより皮膚を健やかに保つこと。それに対し、厚生労働省に承認された有効成分を適切な範囲で配合し、効能が認められた製品が医薬部外品で、効果が高く、安全性にも優れています」
現在、シワ改善が認められている有効成分は5種。それぞれ作用のメカニズムが異なるそう。
「『純粋レチノール』は、表皮のヒアルロン酸産生促進や細胞賦活による抗シワ作用。攻めの成分でスピード感があります。『VEP-M』は安定化したビタミンEのことで、セラミドやヒアルロン酸の減少を改善し、血行促進作用も。『ニールワン』は、肌の深部の真皮にアプローチし、コラーゲンやエラスチンの過剰分解を防ぎます。『ライスパワーNo11+』は、セラミド、NMF(天然の保湿成分)、表皮のヒアルロン酸の産生を促し、皮膚水分保持能を改善。扱いやすく安全性も高いため、多くの製品に配合される『ナイアシンアミド』は、表皮細胞の増殖と分化を促し、コラーゲンの産生を促進します」(次田さん。以下同)
ただし、有効成分=効果と考えるのは早計と次田さん。
「シワの部位に留まる処方や浸透技術に加え、保湿成分や抗炎症成分など美肌効果を補完するよう、各メーカーが工夫をしているので、何を選ぶかは総合力で判断する必要があるでしょう」
