価値観のすり合わせは、これからゆっくりと
アンナ 関係は順調とはいえ、まだまだお互いに知らないことばかり。極端に言えば、そういえば血液型は何? みたいな感じです。二人で住む新居も今探しているんですが、じつは初めて彼の家に呼ばれた時には、家の中が綺麗すぎて、この人とは一緒に住めないかも! と思いました。(笑)
世継 ここは散らかしていいよ、という部屋をつくればいいのかな、と思ったら、どうもそうではないらしい(笑)。ほかにもいろいろと勘違いやすれ違いはあって。「世継アンナ名義のクレジットカードを作ってほしい」と言われて、僕がぎょっとしたり。カードで買い物をして、月に300万円くらい請求が来たら困ると思っちゃいました。
アンナ それは大きな誤解です。カードはお守りとしてほしかっただけで、面倒みてもらおうなんて気持ちは一切ないんですよ。それに私は二人の老後のために、あまりお金を使いたくなくて。新婚旅行で宮古島へ行った時も、彼は一泊38万円のホテルの部屋を用意してくれたけど、今後はもっと安いところにしようって言いました。
世継 それなのに、昨日は家でつくるマグロ丼のために、2800円もするマグロを買おうとするから、矛盾してる、と言ったら、喧嘩になってしまったんです。僕は自炊って、外で食べるより安くなるものだと思ってたから。
アンナ 父のレシピに「マグロの漬け丼」というのがあるんですけど、いつも紀ノ国屋で美味しいマグロを買って家族につくってくれていたんですよ。私にとってすごく大切な料理だから、彼にも食べさせてあげたかったんです。
世継 アンナに「女心をわかってない」と言われて、グーグルで「女心」の意味を調べたりして(笑)。その後、彼女の出したレシピ本を読み返して、反省しました。僕はお金のことしか考えていなかったけど、アンナは愛のフィルターをかけて考えていたんだな、と。
家でつくって食べるものは、単に高い安いではなく、家族への想いという愛情をかければ特別なご馳走になるということも、彼女に教えてもらいました。